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カジノ含むIR整備推進の議員立法が成立

2016年12月15日木曜日
国会では、14日夜から開かれていた衆議院本会議で、カジノを含むIR・統合型リゾート施設の整備推進法が、自民党や日本維新の会などの賛成多数で可決され、成立しました。一方、民進党など野党4党が昨夜提出した、安倍内閣に対する不信任決議案は、自民・公明両党や日本維新の会などの反対多数で否決されました。
国会では14日夜、焦点となっていた、カジノを含むIR・統合型リゾート施設の整備を推進する法案が、参議院本会議で修正のうえ、採決され、自民党や日本維新の会などの賛成多数で可決されて、衆議院に送り返されました。

これを受けて、午後10時から衆議院本会議が開かれ、14日までだった会期を、17日までの3日間再延長することが議決されました。

そして、15日午前1時前から法案の審議が行われ、民進党と共産党が反対の立場から討論を行ったあと、採決が行われ、カジノを含む統合型リゾート施設の整備推進法は、自民党や日本維新の会などの賛成多数で可決されて、成立しました。

これに先立って、衆議院本会議では、民進党、共産党、自由党、社民党の野党4党が14日夜に提出した、安倍内閣に対する不信任決議案の採決が行われ、自民・公明両党や日本維新の会などの反対多数で否決されました。

カジノ含むIR法とは

カジノを含むIR・統合型リゾート施設の整備を推進する法律は、去年4月に議員立法として提出され、施設の在り方や整備の手続きなどを定めるとともに、施設運営への規制などの法整備を国に求める内容で、カジノを直ちに解禁するものではありません。

推進法では、「統合型リゾート施設」を、カジノや会議場、それにホテルなど、観光振興につながる施設が一体的に整備された区域と定義し、適切な国の監視と管理の下、民間事業者が運営するとしています。

そして、施設を整備できる区域は、地方自治体からの申請に基づいて国が認定するとしています。

そのうえで、国に対し、推進法の施行後1年以内をめどに、カジノの運営業者に対する規制やギャンブル依存症の対策などの具体的な措置を盛り込んだ法整備を行うよう求めています。

また、こうした取り組みを集中的に行うため、総理大臣を本部長とする政府の推進本部を設けることも盛り込まれています。

日弁連が抗議声明

カジノを含むIR・統合型リゾート施設の整備を推進する議員立法が可決・成立したことについて、日弁連=日本弁護士連合会の中本和洋会長は「日本では歴史的に禁止され、刑罰の対象とされてきた賭博行為を、特定の場所、特定の者に限定して非犯罪化するもので、民間賭博を初めて正面から公認するという、日本の刑事司法政策に重大な変更をもたらすものだ。慎重な審議を要するものだったが、審議過程はあまりに短時間で、拙速にすぎる。かねてから指摘している問題点についての解消策が全く講じられていない」などとして、抗議する声明を出しました。

世界のカジノ事情は

世界各国のギャンブル事情に詳しい、東京・千代田区にある「国際カジノ研究所」によりますと、17世紀にヨーロッパで始まったカジノは、アメリカ大陸やアジアなど世界各地に広がり、今では120を超える国と地域にあるということです。
G7=主要7か国では日本を除くすべての国で合法となっています。

最大の市場は、カジノの本場、ラスベガスを抱えるアメリカで、リーマンショックで売り上げはいったん落ち込みましたが、ここ数年緩やかな成長を続けるアメリカ経済とともに徐々に持ち直し、アメリカのメディアによりますと、去年の売り上げはおよそ8兆円と、リーマンショック前の水準を超えたということです。
一方、そのアメリカでもカジノ運営が振るわなかったところもあります。
このうち、東部ニュージャージー州にあるアトランティックシティーは、トランプ次期大統領が1980年代から1990年代にかけてカジノやホテルを手がけましたが、国内での競争が激しくなる中で事業に失敗したことで知られています。

カジノ発祥の地、ヨーロッパでは各国でカジノがあり、ドイツのバーデンバーデンは温泉地にあるカジノとして観光客に人気があり、温泉とカジノなどを楽しむ統合型リゾート開発のモデルとして、日本の地方自治体からも視察が相次いでいます。

カジノ産業の成長が目立ってきたのがアジアで、このうちマカオは2006年、ラスベガスを抜いて売り上げが世界最大となりました。
一方、「資金洗浄の舞台になっている」とも指摘されるようになり、汚職撲滅に取り組む中国の習近平指導部が取り締まりを強化する方針を打ち出した結果、腐敗との関わりを疑われることを恐れた中国の顧客の足が遠のいたとされ、おととしから売り上げが大幅に落ち込みました。

シンガポールは2005年、カジノを合法化し、統合型リゾートの誘致を進めた結果、観光客が大幅に増え、「カジノ誘致の成功例」と言われています。
ただ、習近平指導部の締めつけや中国経済の減速の影響で、カジノを利用する中国人富裕層はここでも減少傾向にあります。

韓国では外国人が利用できるカジノ施設はありましたが、2000年、東部のカンウォン道に韓国人も利用できる施設として初めてのカジノ施設「カンウォンランド」がオープンし、多くのカジノファンでにぎわいました。
しかし、施設周辺でギャンブル依存症の利用客が目立つようになり、社会問題になったほか、経済効果も期待外れだったとして、韓国国内では批判の声が上がり、「カジノ誘致の失敗例」という指摘もあります。

日本やその周辺ではこれまで大規模なカジノ市場はなかったため、「最後のフロンティア」として、進出に関心を示している世界の大手の運営会社もあるということです。
国際カジノ研究所の木曽崇所長は、「カジノは”打ち出の小づち”のような、必ずもうかるものではない。国や地域、また、それぞれの施設によって状況が異なっているのが実情だ」と話しています。

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